セルフコンパッションという言葉をご存知でしょうか?
10月10日はメンタルヘルスデーでした。新型コロナ流行は続き、あらゆる世代の人びとがメンタルヘルスに危機をかかえ、自殺者数が増加している現状のなかで、様々なイベントが行われました。
そのような中、セルフケアとしても心理療法としてもセルフコンパッションやマインドフルネスに注目が集まっています。
今回はセルフコンパッションについて触れてみたいと思います。
問いかけ
最近あなたが直面した困難を想像してみてください。
そのときあなたは、あなた自身になんと声がけをしましたか?
では、もしあなたが一番大切にしている親友が同じ困難に直面しているとしたら、どのように声をかけますか?
多くの方が、このときハっとした顔をされます。
なぜならば、大半の人が自分にはもっと頑張ることができる、頑張らなくてはいけないと自分をいち詰めるような言葉をかけていることが大半なのです。
では親友にはどうでしょう?
『大丈夫?』『そんなに無理しなくていいんじゃない?』って心から伝えるのではないでしょうか?
このように時として自分に対してとても厳しく批判的な態度をとってしまう傾向があります。
自分を苦しめる自己批判
私達の脳はなぜ繰り返し批判したり、繰り返し同じことを考え続けてしまうのでしょう?
サバンナでライオンの群れが虎視眈々と獲物を狙っています。
ライオンがシマウマを襲い、残念ながらシマウマは捕まってしまいます。
群れは一時的には動揺しますが、翌日も同じように草をはみ、水場で水を飲みに移動するのです。
一方で人間であれば何日間もまたライオンが襲ってくるのではないかとか恐怖を繰り返し思い出して、またさらに恐怖に怯えてしまいます。
このように人間は思考や感情を増幅させどんどん不安になってしまうのです。
誰しもがこの厄介な脳みそをもっていて、内的なストレスを増幅しているのです。
セルフコンパッションとは
セルフコンパッションは慈悲、思いやりと訳されることが多く、一見すると『自分に優しくすること?』と解釈されがちです。
しかしそれだけでは自己批判や、繰り返し考えてしまうことから一時的気をそらしたりして気持ちを落ち着けるにすぎないのです。
コンパッションという言葉は『ともに』というcomと『苦しむ』というpatiから構成され、『ともに苦しむ』という意味のラテン語compatiに由来しており、セルフコンパッションは『苦しみや悲しみに目をそむけるのではなく向きあうこと』と『苦しみを取り除こうとする姿勢が大切である』というふたつの要素が含まれています。
つまり苦悩に立ち向かおうとする前向きな姿勢のことを指しているのです。自分に優しくできるから強くなれるのです。
不安が高まる今だから必要
コロナ禍で誰しもが不安を抱えています。厚生労働省の調査でも6割くらいの方が不安を感じていることが示されています。社会が不安になっているなか、今だから自分に優しく、勇気をもって前にすすんでいくというセルフコンパッションが必要なのではないでしょうか?
オンラインヨガ講座
今回は慈悲の瞑想の実践や、優しいヨガの実践をみんなで行っていきます。生徒さんに自分の言葉でセルフコンパッションを伝えられるような講座内容となっています。瞑想の実践などワークが多いです。
ぜひ一緒にセルフコンパッションを学んでみませんか?
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