オリーブ通信|心と体のコラム 第2回
「電車の中で急に動悸がして、倒れるのではないかと思った」「仕事が終わっても心配が頭から離れない」。不安は気持ちだけでなく、体の変化として現れることがあります。周りに伝わりにくくても、そのつらさは相談してよいものです。
不安があることと、不安症は同じではありません
大切な予定の前に緊張することや、先のことを心配するのは自然な反応です。一方、不安が強く続き、自分では切り替えにくく、睡眠・仕事・外出に支障をきたすときは、治療が役立つ場合があります。不安症にはいくつかの種類があり、心配の対象や経過を丁寧に確認します。
全般不安症では、仕事、家族、健康などについて過剰な心配が続き、疲れやすさ、筋肉の緊張、集中しにくさ、不眠などを伴うことがあります。「心配性だから仕方がない」と、性格だけで片づける必要はありません。[1]
パニック発作とパニック症の違い
パニック発作は、強い恐怖や不快感とともに、動悸、発汗、震え、息苦しさ、めまいなどが急に現れる状態です。ただし、発作が一度あっただけでパニック症と診断されるわけではありません。予期しない発作を繰り返し、「また起きるのでは」という不安や、電車・外出を避けるなどの変化が続いていないかも確認します。[2]
例えば、発作そのものは短時間でも、通勤経路を大きく変えたり、一人で出かけられなくなったりすると、日常の負担が増えます。受診時には症状の強さだけでなく、「できなくなったこと」も教えてください。
最初から「不安のせい」と決めつけない
動悸や息苦しさは、心臓・呼吸器・甲状腺などの病気や、薬・カフェインなどの影響でも起こります。初めての症状、いつもと違う症状は、身体の状態を含めた評価が必要です。[1,2] 強い胸痛、失神、急激で強い呼吸困難がある場合は、精神科の予約を待たず、119などで救急の助けを求めてください。
治療は「気にしないようにする」練習だけではありません
不安症・パニック症には、認知行動療法や薬物療法などの選択肢があります。認知行動療法では、不安が起きる仕組みを理解し、考え方や行動のパターンを少しずつ見直します。避けている場面に段階的に取り組む方法もありますが、いきなり苦手な場所に一人で挑むよう強いるものではありません。[1,2]
薬を使うかどうかも、症状、持病、希望、副作用への不安を踏まえて相談します。抗うつ薬が不安症の治療に使われることもありますが、使用できる薬や適応は国によって異なります。「すぐ効く薬」と「時間をかけて症状を抑える薬」では役割が違うため、処方された薬の目的を確認しましょう。自己判断で増量・中止することは避けてください。
診察には、まとまっていないメモでも大丈夫です
- いつ、どこで、どのような体の変化が起きたか
- 発作や心配が続く時間と頻度
- 避けるようになった場所や、仕事・家庭で困っていること
- 睡眠、カフェイン、飲酒、服薬の状況
「不安をゼロにしなければ」と頑張るより、安心してできることを取り戻す道筋を一緒に考えましょう。診断名が分からなくても、生活に支障が出ていることが相談の理由になります。
ご相談をご希望の方へ
池袋オリーブメンタルクリニックでは、症状だけでなく、生活で困っていることや治療への希望もお伺いします。初めて受診される方へ/通院中・再診の方へ。受診前のWEB問診は、可能な範囲でご記入ください。
この記事は一般的な医療情報です。診断や治療の判断は、個別の診察に基づいて行います。資料確認日:2026年9月28日。
