医療機器治験とは
人での効き目や不具合 (安全性) について調べる試験を一般に 「臨床試験」と呼んでいます。
国 (厚生労働省) から 「医療機器」を受けるために行う臨床試験のことを 「治験」と呼んでいます。
治験の実施にあたっては、治験に参加される方の人権と安全性が最大限に守られなければなりません。
そのため、 治験は厚生労働省が定めた基準に従って行われます。 治験は、参加する方
の「自由意思」に基づいて行われます。治験によって得られた情報は新しい医療機器と
して厚生労働省へ申請するための資料に使用されます。 そして、 あなたと同じ病気の多くの患
者さんの治療に役立つことにもなります。
当院において実施しているPTSDの機器はトラウマに曝露しない治療法であり、PCによる画
面と音声のみで行える簡便な治療となります。
治験に参加いただける方
治験に参加いただける方
●PTSDと診断されている方
●18歳以上65歳未満の日本人の方
●トラウマからの経過が1~20年の方
●統合失調症や妄想性障害などと診断され
ていない方
約2か月の間、 週1~2回来院出来る方
●その他医師により適当と判断された方
その他いくつかの基準があります。
診察の結果により、ご参加いただけない場合があります。 使用中
の薬剤によっては治験期間中に薬剤の切り替えや中断などの制限
が発生する場合があります。 予めご了承ください。
当院通院中の患者様は主治医にご相談ください。
他院通院中の方は主治医にご相談の上、紹介状をお持ちになり診察を一度お受けください。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは
生死に関わるような実際の危険にあったり、死傷の現場を目撃したりするなどの体験によって強い恐怖を感じ、それが記憶に残ってこころの傷(トラウマ)となる病気です。何度も思い出されて当時と同じような恐怖を感じ続けるフラッシュバックなどの症状が出現します。
DSM−5での診断基準は以下の通りです
A.実際にまたは危うく死ぬ、重症を負う、性的暴力を受ける出来事への、以下のいずれか1つ(または それ以上)の形による曝露
(1)心的外傷的出来事を直接体験する。
(2)他人に起こった出来事を直に目撃する。
(3)近親者または親しい友人に起こった心的外傷的出来事を耳にする。家族または友人が実際に死 んだ出来事または危うく死にそうになった出来事の場合、それは暴力的なものまたは偶発的な ものでなくてはならない。
(4)心的外傷的出来事の強い不快感をいだく細部に、繰り返しまたは極端に曝露される体験をする B.心的外傷的出来事の後に始まる、その心的外傷的出来事に関連した、以下のいずれか1つ(またはそ れ以上)の侵入症状の存在:
(1)心的外傷的出来事の反復的、不随意的、および侵入的で苦痛な記憶 注:6歳を超える子どもの場合、心的外傷的出来事の主題または側面が表現された遊びを繰り 返すことがある。
(2)夢の内容と情動またはそのいずれかが心的外傷的出来事に関連している、反復的で苦痛な夢 注:子どもの場合、内容のはっきりしない恐ろしい夢のことがある。
(3)心的外傷的出来事が再び起こっているように感じる、またはそのように行動する解離症状
(4)心的外傷的出来事の側面を象徴するまたはそれに類似する、内的または外的なきっかけに曝露 された際の強烈なまたは遷延する心理的苦痛
(5)心的外傷的出来事の側面を象徴するまたはそれに類似する、内的または外的なきっかけに対す る顕著な生理学的反応
C.心的外傷的出来事に関連する刺激の持続的回避。心的外傷的出来事の後に始まり、以下のいずれか1 つまたは両方で示される。
(1)心的外傷的出来事についての、または密接に関連する苦痛な記憶、思考、または感情の回避、 または回避しようとする努力
(2)心的外傷的出来事についての、または密接に関連する苦痛な記憶、思考、または感情を呼び起 こすことに結びつくもの(人、場所、会話、行動、物、状況)の回避、または回避しようとす る努力 D.心的外傷的出来事に関連した認知と気分の陰性の変化。心的外傷的出来事の後に発現または悪化し、 以下のいずれか2つ(またはそれ以上)で示される。
(1)心的外傷的出来事の重要な側面の想起不能(通常は解離性健忘によるものであり、頭部外傷や アルコール、または薬物など他の要因によるものではない)
(2)自分自身や他者、世界に対する持続的で過剰に否定的な信念や予想(例:「私が悪い」、「誰も 信用できない」、「世界は徹底的に危険だ」、「私の全神経系は永久に破壊された」)
(3)自分自身や他者への非難につながる、心的外傷的出来事の原因や結果についての持続的でゆが んだ認識
(4)持続的な陰性の感情状態(例:恐怖、戦慄、怒り、罪悪感、または恥)
(5)重要な活動への関心または参加の著しい減退
(6)他者から孤立している、または疎遠になっている感覚
(7)陽性の情動を体験することが持続的にできないこと
E.心的外傷的出来事と関連した、覚醒度と反応性の著しい変化。心的外傷的出来事の後に発現または悪 化し、以下のいずれか2つ(またはそれ以上)で示される。
(1)人や物に対する言語的または肉体的な攻撃性で通常示される、(ほとんど挑発なしでの)いら だたしさと激しい怒り
(2)無謀なまたは自己破壊的な行動
(3)過度の警戒心
(4)過剰な驚愕反応
(5)集中困難
(6)睡眠障害(例:入眠や睡眠維持の困難、または浅い眠り)
F.障害(基準B、C、DおよびE)の持続が1カ月以上 G.その障害は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能 の障害を引き起こしている
H.その障害は、物質(例:医薬品またはアルコール)または他の医学的疾患の生理学的作用によるもの ではない。
▶ いずれかを特定せよ 解離症状を伴う:症状が心的外傷後ストレス障害の基準を満たし、加えてストレス因への反応として、 次のいずれかの症状を持続的または反復的に体験する。
1.離人感:自分の精神機能や身体から遊離し、あたかも外部の傍観者であるかのように感じる持続的 または反復的な体験
2.現実感消失:周囲の非現実感の持続的または反復的な体験
▶ 該当すれば特定せよ 遅延顕症型:その出来事から少なくとも6カ月間(